テーマ「婚礼衣装について」

ウエディングドレスは何故白なのか?

 

イギリスのヴィクトリア女王が1840年、アルバート公との結婚式に着用した花嫁衣裳に白いウエディングドレスを選んだことから花嫁衣装に白を使う伝統が始まったとされます。ヴィクトリア女王以前の時代、ローマ時代では、「黄色が花嫁に相応しい」とされていて、ドレスやヴェール、シューズまでも黄色に着飾るのが一般的だったようです。ヴィクトリア女王の婚礼から、シルクの光沢が美しい純白の「ホニトンレース」のドレスが広まっていきます。

 

 

ホ二トンレースとは、イングランドデヴォン地方にて作られたボビンレールのことで、ヴィクトリア女王はイギリスの産業であるホニトンレースを婚礼衣装に採用しました。

 

1840年にヴィクトリア女王の婚礼の際にホニトンレースと衣装のベールが織られましたが、この時に200人以上の特に優れた熟練者が7か月もかけて編んだものだそうです。 

白い花嫁衣装はファッションに敏感な当時の富裕層の令嬢たちにすぐに取り入れ、そして花嫁が白を着る慣例はすぐに確立されました。

 

                  ホニトンレース

 

エリザベス女王のウエディングドレス

       今年 ご結婚70周年(プラチナ婚)

 

第二次世界大戦後2年しか経っていない194711月にエリザベス女王は結婚式を挙げました。戦後まもないことで国民は配給での生活。未来の女王ですら衣服の配給券を貯めてウエディングドレスを用意されたとのこと。アイボリー色で4mのトレーが施された女王のウエディングドレスは、350人の女性が7週間かけて仕立てられたとのこと。

 

ヴィクトリア女王から4代後のお話です。

 

 

 

 

 

Royal Collection Trust / © HM Queen Elizabeth II 2017

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白無垢について

 

白無垢を着始めたのは室町時代の武家社会からです。

「白」が花嫁の色ということになったのはもう少し前の平安時代末期頃の貴族社会だったようです

戦前戦後まもなくは、白無垢を着たのはかなり裕福な家の人や華族といった

特別な人たちが着たそうです。貴方の色に染まります、貴方の家に染まりますということで白無垢(表裏白一色で仕立る)を着たそうです。結婚式に着た後にほどいて染め替えたり、刺繍を施したり、自家の家紋を入れたりして何着かの着物に仕立てかえたとか。何ともはや昔の話は優雅な時の流れを感じます。

 

着物は縫をほどいて反物に戻すことが出来る、何度でもリメークできるすぐれものなのです。

 

 

 

 

 

 

黒引き振袖

 

江戸時代の武家の婚礼衣装、実際には昭和初期までは白無垢よりメジャーであり、庶民の花嫁(裕福な家も含めて)は黒紋付きの裾引きだったそうです。

 

黒引き振袖を着る意味

 

白無垢は貴方の色に、貴方の家に染まりますという意味に対して黒引き振袖は、これ以上誰にもそまりません、という意味があるのだそうです。どちらにしても純潔の証なのです

結婚衣装の白い色のイメージ

古今東西、白のイメージは清らかなイメージなのです。